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冷えと血流の関係
冷えには「血流」が大きく関わってきます。
人間は体温を常に一定に保つことができる「恒温動物」であります。
気温の暑さ・寒さに関わらず、脳の視床下部の働きにより平熱をキープするようにできています。
例えば、寒い季節には体は自然と血管を収縮させ、血流の量を少なくし、熱を外に逃がさないようにします。逆に暑い季節になると、血管を拡張させて血流量を増やし皮膚温度を上げて熱を外に逃がします。
核心温度と外殻温度
核心温度というのは、環境の変化に左右されず常に一定の温度を保つ体内(頭腔内、胸腹腔内)の温度です。外殻温度は外気温などに左右される体表面の温度です。
ですので、体温を測定する時は核心温度を測るために腋窩や直腸、口腔で測ります。
昨今コロナウイルスの影響で街中などでおでこでピッと測る体温計が主流ですが、あれは外殻温度を測定するものです。寒い外気に触れた直後に測ると35度台が出てしまったりするのはその為です。先に書いた血管の拡張や収縮というのは、外殻温度に関わってきます。
つまり手足がいつも冷たい、温まらないといういわゆる冷え性の方の場合、大切なのは「血流を上げること」となります。
血流を上げるには
血流を上げる一番の方法は運動することです。
筋力トレーニングの世界では「パンプアップ」という言葉があります。
これは、筋肉に刺激を与えることで筋肉へ流れ込む血流量を増やし、一時的に筋肥大が起きた状態のことを言います。
つまり筋肉を動かせば血流は増え、体表面の温度は上がります。
手足の冷え性改善のためにと靴下をたくさん履いたり、手袋をつけたりすることも多いと思いますが、やはり中から体が温まってこないと、靴下を脱いだ途端、手袋を外した途端すぐに手足は冷えてきてしまいます。
なぜ手足が冷えるのか
身体の中で特に冷やして欲しくないのが「体幹部分」です。
体幹部分というのは身体の重要器官である臓器を納めている部分ですので、身体は生命維持のために何としてでも体幹を守ろうとします。
身体の体幹が冷えてしまうと身体はそこに血流を集めようとしますので、なので手足末端部分から冷えてきてしまうというわけです。
また、緊張によっても手足は冷えます。緊張した状態でやたらと手や足がキンキンに冷えてしまい、手をこすろうが何をしようがまったく温まらないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
これも理屈は同じで、緊張して交感神経が優位になると脳や体幹部分に血を集めようとするために、手足末端から冷えていくことになります。
冷え性を改善させるには
ここまで説明してきたことを踏まえると、冷え性を改善させるコツが見えてきます。
冷え性を改善させる、冷えない身体を作るためには「体幹部分の血流を上げる」ということになります。
体幹部分がしっかりと温まっていると、手足末端まで血流を促す余裕ができますので手足も冷えにくくなります。
体の中が温まっていれば、外気にさらされて外殻温度が下がったとしても、室内に入ればすぐに体は温まってくるはずです。
お風呂に入っている時はいいけど、出たらすぐ身体が冷えてしまう。
たくさん靴下を履いて温めているのに、脱いだらすぐ冷たくなってしまう。
そういった方は体幹部分が温まっておらず血流が上がっていない可能性があります。また交感神経優位ではなく、副交感神経を優位にすることも血流を促す意味では重要です。
しっかりと身体と気持ちをリラックスさせることで血流が良くなり手足末端まで温まるようになります。
深く深呼吸をしながら、ゆっくりとストレッチや体操をして体を動かすのも良いでしょう。
せきぐち鍼灸院のおススメ冷え性対策
当院がおススメしているご自身でできる冷え性対策は「Tシャツを中に多く着る」です。
体幹部分を冷やさないために、中にTシャツを1枚か2枚多く着てみてください。それだけでも外に出た時に感じる寒さがだいぶ和らぐと思います。
素材はピタッと肌に密着するものではなく、綿などゆったりとしたものが好ましいです。そうすることで空気の層ができて、熱がこもり温まりやすくなります。
また、体幹部分がしっかりと温まっていれば手足末端も温まりやすくなります。
冷え性でお困りの方はぜひ一度試してみてください。
参考までに私の冬の装いを申し上げますと
Tシャツ2枚、長袖1枚、パーカー、ウインドブレーカーです。
中にTシャツで空気の層を作って暖かくして、ウインドブレーカーで外気をシャットアウトしています。これで寒さは凌げます。まだ寒いと思ったらTシャツか長袖を1枚増やしてみてください。
冷え性に鍼灸治療は効果的か
冷え性に鍼灸治療は勿論効果的といえます。
鍼灸治療(東洋医学)では、体全体の血流を促すということを重要視します。
ここまで申し上げてきたように、血流を促すということはそのまま冷え性対策になり得ます。
また、冷えは女性の天敵でもあり、生理不順、不妊症、逆子の原因にもなるとされ、また肩こりや腰痛、五十肩などにも冷えはよくありません。
お辛い症状と共に冷え性といった不定愁訴も併せて診ていくのが東洋医学です。
関連疾患
「お元気ですか?ラジオ第19回【冷え性の話】」
―「お元気ですか?ラジオ」とは?-
鍼灸院をもっと身近に感じてもらいたいということから始まった、当院の季刊誌「お元気ですか?」のラジオ版です。
このラジオを聴くだけで、なんとなく体の健康の事や、疾患の事などがわかる、そんなラジオを目指して作成しております。
また、「コーヒーブレイク」では二人の趣味の話や雑談などを流しております。
こういう鍼灸師がやっている鍼灸院なんだ、鍼灸院は入りづらいところではないんだということが少しでも伝わっていただければ幸いです。
せきぐち鍼灸院【武蔵小金井】
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