生理不順の臨床症例１
良性の卵巣嚢腫（40代女性）

「武蔵小金井の「地域に根付いて病気を根付かせない鍼灸院」せきぐち鍼灸院です。
生理不順で当院に来院されて改善した方の症例を一部ご紹介させていただきます。
生理不順で鍼灸治療を受けようか悩まれている方のご参考になれば幸いです。
　
　

DATA

来院者／40代女性
主訴／卵巣嚢腫があり生理周期も不安定
通院期間／2022年6月～9月
回数・頻度／15回・1週間おき位

生理不順の症状と経過

下腹部がぽっこりと出てきたことが気になって婦人科を受診したところ「４ｃｍの卵巣嚢腫がある」と言われた。幸いにも良性だったが「６ｃｍまで大きくなったら良性であっても手術が必要」と言われたとのこと。
お腹の張りがあるので漢方薬を処方されてしばらくそれで様子を見てみることに。
子宮筋腫も現在２つあるとのこと。
　
　

所見

生理周期は不安定で生理痛はさほど強くはない。経血の塊が良く出る。経血の量が急に増えるといったことは今のところなし。
数年前から春先や梅雨の時期にめまいが出やすい。血液検査では特に問題はないそう。
特に生理前に、朝や夕方台所に立つとフワーっとめまいがするとのこと。
　
　

生理不順の鍼灸施術

＜初回＞
生理周期、生理の内容、生活習慣などまずはじっくりとお話を伺うところから施術開始。
整体で全身の筋肉・骨格・神経のバランス調整を行ってから鍼灸治療へ。婦人科系のお悩みとめまいもあるので、瘀血と血の巡りの改善を目標にに鍼灸施術を行っていく。
子育てや仕事のお疲れもあったので、全身の巡りを良くする為に腰に灸頭鍼も施していく。

＜３回目＞
鍼灸治療を始めてから最初の生理がきた。いつもよりも量が少ない感じとのこと。
梅雨っぽく雨がジトジト降っていたせいかこの日は軽くめまいが出ていた。

＜４回目＞
めまいは前回から治まってきている。
鍼灸治療は引き続き瘀血と血の巡りの改善を中心に行っていく。

＜７回目＞
二度目の生理。経血の塊がほんの少し出た。生理とともにめまいが出たとのこと。
クーラーで冷えた自覚はあるので「それが原因かも？」と。

＜１５回目＞
婦人科へ検診へ行ってきた。４ｃｍあった卵巣嚢腫が２ｃｍに小さくなっていたとのこと。
子宮筋腫も１ｃｍくらいで大きくなってはいなかった。
今後も経過観察は続けていくが、今回は手術はなんとか免れたと嬉しさと驚きがあるご様子でした。
　
　

生理不順の鍼灸治療考察

その後も月に２回くらいのペースで来院されて継続治療中です。めまいはほとんど見られなくなってきましたが、疲れがひどく出るとめまいも出ることがあるようです。
日々忙しくされている方で、ご自分のお疲れにあまり自覚がないご様子でした。治療の回数を重ねていく事で段々とご自分のお疲れ具合を自覚され始め、その都度セルフケアなどもお伝えしていきました。
今回は卵巣嚢腫が実際に小さくなった症例でした。今後も婦人科の定期健診でサイズを確認してもらいながら鍼灸治療を進めていきたいと思います。
（同じ疾患であっても、程度、経過によって治り方には個人差があります。）
　
　