武蔵小金井の「地域に根付いて病気を根付かせない鍼灸院」せきぐち鍼灸院の院長関口です。
今回のテーマは「疲労」についてです。慢性的な疲労に悩んでいる方は多くいらっしゃいますが中には自分が思っている以上に疲労を蓄積している方も。
　
　

疲労は蓄積されていくもの

「今日はあとちょっとだけ頑張ろう」と、まだ体力も気力も全然余裕があるからいつもよりもほんの少しだけ頑張った。そして翌日もまだ元気だから「もう少しだけ」と頑張った。そうしたほんの少しの疲労は徐々に蓄積されていくものであり、そしてある日突然ガクッと調子を崩したりするものです。

自分がどのくらい頑張れるものなのか、自分の中でのバロメーターがあることは大切です。
お腹の調子が悪くなってきた。目の下にクマができてきた。朝目がいつもより開かない。やる気がいつもより起きてこないなど。この状態になってきたら自分は疲れてきているんだなという指標が自分の中にあるとセーブもしやすくなるかと思います。
　
　
　

肉体的疲労と精神的疲労

肉体的疲労は末梢性疲労、精神的疲労は中枢的疲労と言われており、それぞれ相互関係にあります。心身一如という言葉があるように心と体というのはお互いにバランスを取って成り立っているものです。

気持ちが病んでくると体にも症状が現れますし、体が辛いと気持ちも沈み込んでくるものです。どちらか一方を回復させるのではなく、両方共にしっかりと回復させていくのが疲労を取り除くひとつのポイントとなると思います。
　
　

肉体的疲労の回復

肉体的な疲労回復方法は十分な休息を取ってカラダを休めたり、カラダの血流をあげていくことです。
筋肉的な疲労は、老廃物の蓄積などが体の重だるさや筋肉の凝りなどを引き起こしますので、カラダを休めて体力を回復させる、また適度な運動などで血流をあげて老廃物を取り除くことで肉体的な疲労を取り除くことができます。
　
　

精神的疲労の回復

ただカラダを休めれば良いという肉体的な疲労と違い精神的疲労は気分を変えることが大切です。仕事や家事などでクタクタに疲れてしまったが寝ても寝ても疲れが取れないという場合は、肉体的な疲労ではなく精神的な疲労が積み重なってしまっているからではないでしょうか。
そうした場合には仕事や家事などから一度頭を切り離してリフレッシュする時間がとても大切です。

そういう意味では肉体的疲労よりも精神的疲労の方が回復させるのは難しいと言えるでしょう。例えば休日も仕事や家事が頭から離れないといった場合にはいったい何連勤してる状態なんでしょうか。休みでカラダは休めることはできても精神的には働きっぱなしという事は多いものです。
　
マラソンや料理、映画鑑賞など趣味が精神的疲労回復になるというのは、その事に没頭して頭が疲労の原因から切り離されるからです。
上手に疲労を回復させていくには、カラダを休めるためにただ一日寝て過ごすのではなく、何か自分の没頭できる時間を作って気持ちをリフレッシュさせるのがコツとなります。
　
　
　

疲労の蓄積を見過ごさない

自分で疲れているとわかった時にちゃんと休めるかどうかは重要ですが、それでも休みたくても休めない状況の方も多いと思います。締め切りがある仕事だったり、子供のペースで動かざるを得ない育児などなど。

ですが疲労の蓄積は確実にカラダを蝕んでいくものです。胃腸障害、円形脱毛症、顔面神経麻痺、帯状疱疹、線維筋痛症、内臓疾患などカラダに症状として現れる場合もありますし、うつ病、双極性障害、慢性疲労症候群、不眠症など内面に来る場合もあります。

このように大きく体調を崩さないように、カラダに疲労を感じたら前述したように休める時にはしっかりと肉体的・精神的両方の疲労を回復させるよう努めていきましょう。パートナーがいればお互いの役割を分担して少しでも負担を減らし合ったり、無理だと思ったらそこで踏ん張らずに先延ばしにしたり・・。
蓄積した疲労は１日、２日休んだくらいではなかなか回復しきれないものです。普段からチョコチョコと休息を取って疲労を蓄積させないように気を付けましょう。
　
　
　
せきぐち鍼灸院　院長　関口礼