腰椎ヘルニアの臨床症例３
痛くて座っていられない（60代女性）

「武蔵小金井の「地域に根付いて病気を根付かせない鍼灸院」せきぐち鍼灸院です。
腰椎ヘルニアで当院に来院されて改善した方の症例を一部ご紹介させていただきます。
腰椎ヘルニアで鍼灸治療を受けようか悩まれている方のご参考になれば幸いです。
　
　

DATA

来院者／60代女性
主訴／痛みが強く座っていられない
通院期間／2022年4月～7月
回数・頻度／15回・1週間おき位

腰椎ヘルニアの症状と経過

5年程前に腰椎のヘルニアと診断されていた。
左臀部～左脚全体に痛みと痺れがあり。以前痛みが強く出た時は歩けないくらい痛かったが、今回の痛みは座っていると強く出て、歩くと少しは楽とのこと。

2年前からリモートワークがほとんどになったがそれまでは出張も多く車や飛行機移動が多かった。

所見

最初に予診票を記入していただくのですが座っていられないということで立ったまま記入されていました。歩くのもそろそろ歩く感じ、靴の着脱もやっという状態でした。
腰は前屈（前に屈む動作）と後屈（後ろに反らす動作）がどちらも痛み、仰向きにはきつくてなれない状態。
家ではなんとかストレッチはやれているとのこと。
　
　

腰椎ヘルニアの鍼灸施術

＜初回＞
痛みと痺れがかなり強く出ており、仰向きになったり寝返りをうつのもやっという状態だったので今回は整体治療は念のため行わず（下手に動かすと痛みが強くなる恐れがあるため）、鍼灸治療のみ行ってまずは様子を見ていくことに。
腰椎の何番目のヘルニアだったかは忘れてしまったとのことでしたが、痺れの出ている場所などから恐らくは腰椎の２～４番あたりだろうと目星をつけて施術開始。
腰の痛みから背部全体にも緊張からくる張りが強くでていたので、まず背中に鍼を行い、腰は灸頭鍼。腰痛に関連する臀部～脚といった遠隔部にも鍼とお灸を行っていった。
しばらくはストレッチも一度やめて安静にして様子を見るようにお伝えして終了。

＜２回目＞
初回から3日後に来院。特に朝が痛みと重さが辛いとのこと。在宅でも職場でも仕事で座りっぱなしの後は相当強く痛みが出る。
この日も鍼灸メインで治療を行い、整体は腰椎の整体だけ軽く行った。
ひとつだけ簡単な腰のストレッチをお伝えして実践してみていただくことに。

＜６回目＞
しばらく小康状態だったが、昨日から下腿が軽くなってきたとのこと。
今まで靴の着脱や歩行も非常に慎重にゆっくりという感じでしたが、この日は歩き方やベッドに乗る動作、寝返りなども少しスムーズになってきた。
整体治療も通常通り行っている。

＜９回目＞
仰向きで寝るのはまだきついが、座るのは20分くらいはずっと座っていられるようになった。
痛みは臀部と鼠径部の辺りに集中してきた。
もう一つ簡単な腰の体操をお伝えして少しずつ腰を動かしていくことに。

＜１１回目＞
左脚の痺れは出ていないとのこと。だが、長時間座っていると痛みは出る。

＜１５回目＞
長く座っていられるようになり、仰向きにもなれるようになったとのこと。
動き始めは少し痛いが、動いているうちに和らぐ。
散歩も1時間くらい毎日できているし、お伝えしたストレッチや体操も毎日しっかりこなせているのでヘルニアに関してはほぼほぼ大丈夫と思われる。
今後は通院間隔を空けながら様子を見ていくことに。
　

腰椎ヘルニアの鍼灸治療考察

来院された瞬間からひどい状態であることが見てとれるくらいお辛そうでしたが何とか無事に快復までもっていけてとにかくホッとしました。
カラダがいかにひどい状態であり、そしてその原因が仕事にあることはご本人も重々分かっていらっしゃいましたので、どこを気を付けてセルフケアすればいいのかというのがスムーズにお伝えできたかと思いますし、またストレッチや体操などきちんと毎日行っていただけたので快復もスムーズだったと思います。
（同じ疾患であっても、程度、経過によって治り方には個人差があります。）
　
　