不妊症の臨床症例４
（30代女性）

「武蔵小金井の「地域に根付いて病気を根付かせない鍼灸院」せきぐち鍼灸院です。
不妊症・妊活で当院に来院されて改善した方の症例を一部ご紹介させていただきます。
不妊症・妊活で鍼灸治療を受けようか悩まれている方のご参考になれば幸いです。
　
　

DATA

来院者／30代女性
主訴／３人目不妊
通院期間／2022年9月～2023年3月
回数・頻度／18回・1週間に1回位

不妊症の症状と経過

１歳の双子の母（当院で不妊鍼灸治療を続けて無事に妊娠されました）で、３人目を希望されて不妊治療を再開。
３月に産後初めての生理。周期はまだ不安定。元々月経困難症があったが、産前に比べると産後の生理の方が軽い。

双子が歩き回るようになったので育児疲れがある。睡眠はご主人と協力してなるべく睡眠に集中できるような環境を整えている。
不妊治療の病院へは来週行く予定。
凍結胚の胚盤胞約１０個、初期胚も約１０個ある。

不妊症の鍼灸施術

＜初回＞
睡眠時間は取れているものの、育児の疲れが見られる。
カラダのむくみ、腱鞘炎、バネ指もあるのでそちらの鍼灸治療も併せて行っていく。
全体的に力がなく、触った感じもフニャフニャしている。育児で疲れたカラダをリカバリーすることと、生殖機能を呼び覚ますことを目的として施術開始。

整体で全身の調整、骨盤の調整をしてから、全身の疲れを取る目的も含め腰に灸頭鍼を行っていく。加えて不妊症に有効とされる腰、お腹、足などのツボに鍼やお灸を行っていく。
ご自宅でお灸をしていただきたいところだが、時間を作るのが難しそうということで、仙骨と三陰交に円皮鍼（貼りっぱなしにする鍼）を貼ってお帰りいただいた。

＜２回～１０回目＞
１０月の生理の後から移植周期に入る予定だったが、改めて検査をしたり、健康診断で引っ掛かる項目が出てきて再検査を受けたりとなかなか治療が進まなかった。

ご本人はなかなか治療が進まないことにじりじりとした気持ちがあったと思いますが、それまでの間を、卵を迎える準備に当てることができたのは結果的に良かったのではないかと思う

＜１１回目＞
今日、産後初めての凍結胚移植を行った。移植直後から少し頭痛がするとのこと。
今回は凍結していた卵から初期胚を移植して、他の初期胚は改めて培養してみることになった。
治療としては移植によって緊張したカラダをリラックスさせ、お腹周りの血流を促していく目的で施術を行った。
関元・三陰交に鍼やお灸、腎兪には灸頭鍼。

移植の直後に鍼灸治療を受けることで着床率が上がるというデータを元に、病院に行かれてからなるべく早めに鍼灸治療を受けていただく事をお勧めしています。

＜１４回目＞
２回目の移植を行った。培養していた初期胚を含めて胚盤胞が約15個くらいある。
子育ての疲れと、日々の疲れがどっと出ているようでなかなか前向きに治療に取り組めないとのこと。ご主人となるべくスキンシップを取ってもらいリラックスする時間を持ってもらうようにお話しした。

不妊治療を進めていくと夫婦の足並みがそろわないことがあると思います。
実際に病院に行くことが多い奥様の気持ちにご主人が寄り添うのはなかなか難しい事もあるでしょう。そういう時は背中を撫でてもらうなど簡単なスキンシップをお勧めしています。

＜１８回目＞
３回目の移植をしてきた。２回目の移植は少しhCGの数値が出るも上手くいかなかった。
今回の移植までの間に甥っ子に会いに行き、３人目が欲しいという気持ちが再燃したそうで、前向きに治療を進められた。

治療はやはり移植で疲れたカラダを癒し、お腹の血流を促して行く目的で施術を行った。
腎兪に灸頭鍼、次髎と三陰交に鍼と灸をして最後に円皮鍼。

その後、陽性が出て心拍の確認が取れたと報告をいただきました。２人の子育てをしつつの不妊治療は気持ちもカラダもとても大変だったと思いますが、
三人目が欲しい！という強い気持ちがなによりも大切だと教えていただきました。
また何かあればいつでもいらしてください！

不妊症の鍼灸治療考察

元々不妊症の鍼灸治療で来院されていた方で、双子の子供に恵まれて万々歳でしたが、いきなり２人の子育てが始まったということで、かなりお疲れのご様子でした。
不妊治療は病院への通院や検査、投薬などもありかなり心身共に負担のかかることではありますが、更に２人の子育てをしつつということで非常に変だったと思いますが、３人目が欲しい！という強い気持ちがなによりも大切だと教えていただきました。

無事に妊娠されて非常に嬉しかったです。また何かあればいつでもいらしてください。
（同じ疾患であっても、程度、経過によって治り方には個人差があります。）